あのね

ホントは君のこと好きだよ

でもね

君を前にすると

何だか

素直になれなくて

ホントは君と一緒にいれて嬉しいのに

お姉さんぶってばかりだね

あのね

また会える日がきたなら

言いたいよ

君のことが好きって

お姉さんぶってばかりな私だけど

いつかお姉さんぶることを忘れて

君とずっと一緒にいられたらいいな



あのね

君とまた会えたなら

言いたいよ

お帰りなさいって――


私の毎朝の日課

今日も私は母の墓の前で祈りを捧げる。

でね、いつも君の事をいろいろと想像してる

君は今どこに居るのかな?

元気かな?

きっと元気にはしゃいでいるだろう

でも

君ももう大人になったよね?

どんな風に成長したのかな――


こんな風に君の事を想像している時間が

ちょっぴり切なくて

幸せ


今日は何だか心がざわついている

何でだろう?

お母さん私どうしちゃったんだろう

今日は少し私おかしいかも

私の胸がね

どうしようもなくざわついてるの

何か嫌なことでも起こるのかな?

ううん

この胸のざわめきは違う

何かとってもいいことが起こりそう

君に会えるのかな?

「な〜んて」
「さて今日も一日張り切っていこ〜」

そう気合を入れて立ち上がった瞬間

とても懐かしい空気が流れた。

「あの…すいません」

私の背中から声が聞こえた。

聞きなれない声

でも

とても懐かしい感じの声

愛しい声

私は深く息をしてゆっくりと振り返った

その瞬間……

時間が止まったような気がした


「ビアンカ?」

君なの? 本当に君なの?


君はにっこりと笑ったね

昔と変わらない無邪気な笑顔で

「ハハ……ビアンカだ」

その笑顔で私の瞳に涙がいっぱい溜まった

溢れてくる感情を拭って言う

あの頃の笑顔と変わらない君に――

「今までどこにいたのよ!?
 とっても心配したんだから!
 言いたい事とか聞きたいこととかいっぱいいっぱいあるんだからっ!」




涙をいっぱいためて……


                 ――お帰りなさい――





待ってたよ

やっと会えたね

ここはあの場所じゃないけど

お帰りなさい



そして……


さようなら……












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