ずっと待ってた




サラボナで式を挙げたリュカとビアンカは新婚旅行をかねてポートセルミに訪れていた。
そうここは出会いと別れの街 
ビアンカもここで出会いを求めたことがある・・・・。
父の具合が悪いため、身体にいいと噂されている山奥の村へと引越しする途中に訪れた街。 
大好きな人とまた出会えることを願い、店の壁に文字を残していた。
その文字をビアンカと買い物をしている途中に偶然リュカが見つけた。 
それはビアンカの小さい頃に書いた文字にとても似ていた。


「これ、もしかしてビアンカが書いたの?」

「え?どれ?」
そう言ってビアンカは壁に書かれた文字を目で読んだ。

―― あんなに好きだったのにどこに行っちゃったんだよー ――

その文字を読んだ瞬間、ビアンカの頬はパァっと赤くなった。
「む、昔に書いたことがあったかな〜?」
人差し指を顎にあてて、少しとぼけた言い方をしたビアンカ。

そんなビアンカをリュカは抱きしめた。
「ありがとう ビアンカ」

「ちょ、ちょっとリュカ恥ずかしいよ・・・誰かに見られたら・・・」
と言いつつビアンカもリュカの背中に手を回した。
少しビアンカの瞳に涙が滲んだ。
「ずっとずっとリュカのこと待ってたの 大好きなリュカのこと待ってたの
 リュカが居ないと私はとても寂しいからもう私から離れないで
 私を離さないで・・・・お願い・・・・」
リュカはさっきよりも強くビアンカを抱きしめた。
「当たり前じゃないかビアンカ 君を離したりしないし 君から離れない  約束だ」
いつもなら指切りをするのだが、今日は指きりの変わりに口付けを交わした。

「ありがと リュカ」
ビアンカはしばらくの間リュカの胸に顔を埋めていた・・・












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