朝、目が覚めると、そこには愛しい人の笑顔があった。
「リュカ、おはよう」

ビアンカが微笑み掛けた。
「リュカ、そろそろ起きて?もうお昼近い時間だよ?」
「ん〜 もうそんな時間?」
リュカが眠気眼を擦る。

悪戯っぽくビアンカは微笑む。
「リュカったらぐっすり眠ってるんだもん。リュカの寝顔、可愛かったよ。」
「……じゃあ僕もいつかビアンカの寝顔を見させてももらおっかな?」
「………高い……わよ?」
「っえ!?お金かかるの!?」
「冗談よ、冗談」

そう言ってビアンカは声を上げて笑った。

・・・こうやって声を上げて笑ったの、何年ぶりだろ?
やっぱりリュカと一緒にいると楽しい・・・

ビアンカはその太陽のような微笑みをリュカに向けた。
「さあ、リュカ 顔を洗ってルドマンさんに挨拶に行きましょう」
「うん、でもその前に――」

リュカはビアンカをぐいっと抱き寄せた。
絡み合う視線。体の中の鐘がとても早くうたれる。
ビアンカは自分の頬が、段々と紅くなっていってることが分かった。
しかし、どうすることも出来ずに、ただリュカを見つめていた。
そしてリュカの顔がゆっくりと近づけられ、ビアンカの唇にリュカの唇がそっと触れられた。

さっきまで真剣な顔つきだったリュカの頬が緩み、はにかんだ笑顔を浮かべている。
「おはようのキスだよ」

ドクドクと早く打たれている胸を抑えながらビアンカが言った。
「きゅ、急にするなんて反則なんだからっ!!」
「ははは、僕の寝顔を見ていたお返し」

――新婚さんは熱い・・・
この後二人はルドマンが居る豪邸へと向かった。








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